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『僕が愛したすべての君へ』パラレルワールドを題材にした見事な世界観

『僕が愛したすべての君へ』パラレルワールドを題材にした見事な世界観

ぴよすけです。

 

このブログで紹介したいと思っていた作品の一つ、『僕が愛したすべての君へ』という小説についての記事です。

かれこれ読み終わって3年以上経ちますが…いまだに頭から離れない作品です。

 

この記事では『僕が愛したすべての君へ』という小説が、どのようなお話なのか…ネタバレなしで紹介します。

 

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作品データ

まず作品データです。

作品データ

作者:乙野四方字

刊行:2016年6月(早川書房)

もし並行世界の自分と入れ替わったら――人生の節目で僕はどんな選択をするだろうか?

≪文庫本裏表紙のあらすじ≫

人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された時代―

両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦は、地元の進学校に入学した。

勉強一色の雰囲気と元からの不器用さで友人をつくれない暦だが、突然クラスメイトの瀧川和音に声をかけられる。

彼女は85番目の世界から移動してきており、そこでの暦と和音は恋人同士だというのだが……

並行世界の自分は自分なのか? 『君を愛したひとりの僕へ』と同時刊行


 

下で触れますが、この作品は裏表紙あらすじにもある『君を愛したひとりの僕へ』という作品とセットで読むことをおすすめします。

あの日、君は交差点の幽霊になった。過ちの始まりは、俺が君と出会ってしまったこと。

『君を愛したひとりの僕へ』は別の記事でまとめたいと思います。

 

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2冊同時刊行

『僕が愛したすべての君へ』と同時に『君が愛したひとりの僕へ』という作品が発売されました。

この2冊は、両方読むとお話が繋がっている部分があることに気づきます。

もちろん1冊読だけ読んでもいいのですが…個人的には消化不良で終わってしまう感じがあります。笑

 

ではどちらから読み始めればいいかという話。

 

実はどちらが先という区別や、上下巻という設定がありません

 

どちらから読んでも話が通じるという不思議なお話です。

ある意味ループ的な…『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のように、もう一度最初に戻ると意味がわかるようなお話とも少し違いました。

 

おすすめは『君を愛したひとりの僕へ』からです。

ぴよすけは『君を愛した~』→『僕が愛した~』の順で読みました。

 

すでに読んでしまった後なので、逆に読めばどう感じるかわかりませんが…

物語の内容を考えると『君を愛した~』→『僕が愛した~』の順のほうが話がわかりやすい印象です。

 

逆に読んだ人からすれば、もしかしたら『僕が愛した~』を先に読むほうがいいという意見もあるかもしれませんね。

 

この2冊、タイトル・章・物語構成が対になっています

詳細は別の記事でまとめますが、作者の構成力に脱帽する作品です。

 

 

並行世界というパラレルワールド

並行世界というパラレルワールド

実際にどんなお話なのか、一言でいえばパラレルワールドを扱っている作品です。

ジャンルとしてはSFライトノベルといったところでしょうか。

日常的な描写は、現実世界に近いです。

 

『僕が愛したすべての君へ』はそこまで科学的なワードが多く出てきません。

日々の暮らしの中で、人とのつながりや事件・事故による気持ちの変化が丁寧に描かれていました。

 

読んだ感想として感じたテーマは「幸せ」。

普段の生活の何気ないシーン、当たり前と感じること、人が生きる上での結婚・出産・成長など、ある意味人生哲学のようなものも含まれているような感じです。

 

パラレルワールドを題材にしているため、若干考えながら読まないと難しく感じるかもしれません。

しかし、パラレルワールドを扱っているからこその事件描写がうまいなぁと思いました。

 

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1冊だけでは完結しない作品

読むのであれば『君を愛したひとりの僕へ』も併せて読むことを強くおすすめします。

 

どちらの作品も、心情描写や出来事が丁寧に描かれています。

ぴよすけは理系が苦手なので、若干科学技術の部分では詰まりましたが…

 

1つだけ…両作品のイメージをお伝えするとしたら、『僕を愛したすべての君へ』は【明】、『君を愛したひとりの僕へ』は【暗】という感じです。

表紙の雰囲気がある程度、物語観を示しています。

 

2冊を通して読んだとき、「あ、こういうことになるのか!!」という驚きや納得がありました。

特に『君を愛したひとりの僕へ』を読むと、最後の交差点での謎が解けます

上手な構成の仕方になっている作品ですので、ぜひ気になりましたら読んでみてください。

 

『君を愛したひとりの僕へ』や、2作品の比較は別の記事でまとめたいと思います。

もし並行世界の自分と入れ替わったら――人生の節目で僕はどんな選択をするだろうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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