スーパーファミコン(SFC)後期の名作ともいわれるクロノ・トリガー。
主人公クロノたちが世界を変えるために時間を超えた旅をするRPGです。
時を行き来するこのゲーム、基本的にはクリアすることで様々な伏線が回収されていきます。
時には何気ない会話をサラッと読み飛ばしてしまったため、2周目のプレイで新たな発見があることも。
今回の記事では、もしクロノが登場しなかったら他の時代はどうだったかを考察しています。
もしクロノたちが時間旅行をしていなかったら…
クロノたちの現代がどのようにして成り立っていったか…
ゲーム中では情報を基にしか描かれていない原始から現代までの歴史を考えてみました。
クロノたちの住んでいる世界の流れを確認
まずクロノたちが住んでいる世界では、時間の経過とともにどのようなことが起きていたのかをタイムラインにしてまとめました。
- B.C.65000000原始人間と恐竜人の戦い・ラヴォスが宇宙から降ってくる
- B.C.12000古代魔法王国ジールでラヴォスエネルギーを利用
- A.D.600中世王国軍と魔王軍の戦いが行われている時代
- A.D.1000現代建国千年祭が行われているクロノたちが暮らす平和な時代
- A.D.1999世界崩壊ラヴォスの影響により世界が一変
- A.D.2300未来ラヴォスの大災害によって荒廃した時代
クロノトリガーではこの6つの時代+時の最果てを行き来します。
(厳密には世界崩壊はラヴォスと戦闘するだけですが)
物語冒頭部分の紹介
ひょんなことから主人公のクロノ・マール・ルッカが時空を超えるゆがみ(ゲート)を使い、自分たちの住む星の未来を目にします。
未来は現代とは異なり、ひどく荒んだ惑星になっていました。
クロノたちは荒廃した未来を変えるため、世界を変えた原因であるラヴォスを倒すことを決意します。
ゲームのクリア条件=ラヴォスを倒し荒廃した未来(A.D.2300)を変えることです
クロノたちは、各時代を行き来するゲートやタイムマシンを駆使して、自分たちの住む星の未来を変えようと行動していきます。
過去の行動で未来が変わる
物語を進める際、過去に行動したことが未来で反映されます。
たとえば中世で砂漠化した大地に緑を植えるイベントをこなすと、現代ではその土地が森になっているなど…
時間旅行あるあるですね。
プレイヤーの行動で未来を変えることがクロノトリガーをプレイする醍醐味でもあります。
物語が始まるまでの歴史はどうだったか?
では歴史が書き換えられる前の状態(=つまりクロノたちが時間旅行をしなかった場合)の歴史はどのようなものだったのでしょうか?
クロノたちが目にしてきた時代というのは、少なからずクロノたちが関わってしまった時代ということになってしまいます。
まったく歴史改変がなかった場合の歴史(クロノたちが書き換える前の本来の歴史)は、どのようなものだったのか…
ゲーム内で散りばめられている情報をもとに考えてみました。
【原始】人間 VS 恐竜人
エイラたち人間と、アザーラ率いる恐竜人たちとの戦いが繰り広げられている時代
原始の最大のイベントは、人間と恐竜人の戦いです。
原始を訪れたクロノは、エイラに協力して恐竜人のボスであるアザーラを倒します。
ではクロノたちが原始に訪れなかったらどうだったでしょう?
恐竜人は滅ぶが、2つの可能性が…
結論から言うと、恐竜人は人間に負けて(滅びて)しまいます。
仮に恐竜人側が人間に勝っていた場合、現代に登場するクロノたちが恐竜人の姿になっているはずです。
現代のクロノたちは人間の姿で登場するわけですから、原始時代に恐竜人は滅んでいたことになります。
(中世の「巨人のツメ」は除きます)
未来を勝ち取ったのは人間側ということになるでしょう。
では恐竜人が滅びた理由は何だったか、2つの可能性が考えられます。
エイラ(人間)がアザーラ(恐竜人たち)と戦い、勝利した
クロノたちが現れなかったとしても、エイラ(人間)がアザーラ(恐竜人)に勝っていた可能性が考えられます。
原始にはイオカの村とラルバの村が存在しています。
ラルバの村は恐竜人との戦いを恐れ森に隠れ住む村、一方のイオカの村はエイラが率いる村で恐竜人と戦う村です。
イオカ村の酋長であるエイラのセリフに「大地のおきて」という言葉が登場します。
「大地のおきて」とは?
大地を生きる種族は弱肉強食によって決まるという考え方です。
エイラだけでなく、恐竜人のアザーラもこの考え方を理解していたようです。
エイラやアザーラが「大地のおきて」と表現していることから、恐竜人と人間の共存は考えられません。
ということはエイラたちが恐竜人との戦いに勝利したと想像できます。
ラヴォス落下による恐竜人の絶滅の可能性
恐竜人が滅んだと考えられるもう一つの可能性が、ラヴォス落下による絶滅です。
原始のイベントではアザーラに勝利後、ラヴォスがティラン城に落下するシーンがあります。
ティラン城はアザーラたち恐竜人のアジトであることから、次のようなことが考えられます。
・落下したラヴォスによって恐竜人側のダメージが大きかった
・アザーラが死んでしまい、恐竜人の統率が取れなくなっていった
・現実世界と同じように氷河期に突入し、生態系が維持できなかった
エイラ達が直接恐竜人と対峙しなかったとしても、人間側が生き残った可能性も考えられるということです。
ゲーム内では「人間VS恐竜人」という構図が強調されているため、エイラたちがアザーラに勝利したと考えるほうがしっくりくるかもしれまんせん。
いずれにせよ、原始時代では恐竜人が滅び、人間が生き残ったという図が成り立つわけです。
【古代】魔法王国ジールとラヴォスエネルギー
華やかな魔法王国ジールが栄える一方、力がない者は原始的な暮らしをする時代
厚い雲の上にある魔法の力によって栄えたジール王国と、地上では魔力を持たない地の民たちが暮らす氷河期の時代です。
古代文明の魔法王国を統べているのは女王ジール。
女王の血を引くサラ、さらに三賢者(とダルトン)が女王の側近として国を治めていましたが、女王ジールがラヴォスパワーによって正気を失い、暴走してしまいます。
クロノたちが古代に現れなかった場合の流れは以下の3つのです。
三賢者とジャキが次元のゆがみに吸い込まれ、別の時代に飛ばされる
命の賢者・ボッシュは現代へ、時の賢者・ハッシュは時の最果てへ、理の賢者・ガッシュは未来へと飛ばされてしまいます。
女王の息子であるジャキは中世へと飛ばされ、魔族(ビネガー)に拾われます。
ジャキ=魔王
中世にたどり着いたジャキは、ラヴォスへの個人的な復讐を果たすため魔族を利用し、ラヴォスを召喚しようとします。
ラヴォス大災害、サラが生き残る?
クロノが古代を訪れていなかったとしてもラヴォスはいったん眠りから目覚め、世界に向けて牙を剥きます(ラヴォスの大災害)。
大災害の影響で天空に浮かぶジール王国、海底神殿が崩壊し、地上のみの世界となります。
大災害によってジール・ダルトンは不明ですがおそらく死亡、サラのみが生き残ったと考えられます。
ジールが死亡したと考える理由
まずジールが死亡した理由として考えられるのが物語開始時に黒の夢がないことです。
ジールが生き残っていたクロノが改変しようとした場合のみ、黒の夢が出現しています。
現代に生きていたクロノたちの世界には黒の夢は登場していないため、ジールは死んだと考えられます。
サラが生き残ったと考える理由
次にサラが生き残ったと考える理由はマールのペンダントの存在です。
現代のマールが身に付けているものは、古代のサラが身に付けているものとソックリ(というか同じ)です。
サラはラヴォスの大災害で生き延び、同じく生き残った光の民と地の民と共に暮らします。
その後、人類生き残りの指導者たちにペンダントが受け継がれ、のちにガルディア王国の家宝となったのでしょう。
長い時間をかけてペンダントのラヴォスパワーが失われていきます。
ペンダントのラヴォスパワーとは?
ペンダントは古代イベントで魔神器(ラヴォスパワーを吸い上げる装置)にかざすことで、封印されている結界を開放する力を得ます。
現代のマールが持っているペンダントはラヴォスパワーが失われており、封印された扉や宝箱を開ける力がない状態になっています。
生き残った人は魔法と決別、力を失っていく
ラヴォスの大災害に遭って生き残った人たちは、これまで魔法の力を使って反映してきた王国と決別するために、徐々に魔法のエネルギーを失っていきます。
古代の魔法生物が人の手を離れ、のちの魔族になったと考えられます。
【中世】ガルディア騎士団 VS 魔王軍
ガルディア王国騎士団と魔王軍の戦いが熾烈を極めている時代
中世はクロノたちが現れたことで多くの細かい出来事を変えることになる時代です。
クロノたちが現れなかったら、中世はどうなるのでしょうか。
マノリア修道院でリーネを救出するのはカエル
物語初期で発生するリーネ救出イベント。
マノリア修道院でカエルと合流しますが、本来リーネの救出はカエル単独で行われた模様です。
そしてヤクラに勝利し、子孫であるマールが生存していることから無事にリーネを救出できていると考えられます。
つまりこのイベントではクロノたちが現れなかったとしても大きく歴史が変わることはありませんでした。
魔王軍が破れていた
現代のメディーナ村の状況からわかる通り、魔王が人間を滅ぼさなかったため、魔族はひっそりと暮らしています。
魔王崇拝の考え方は残っていますが、魔王軍が何らかの原因により人間側に敗退していることがうかがえます。
魔王軍が敗退したのはカエルに負けたから?
一見するとカエルが魔王に勝利した、と考えがちですが…
実はカエルが魔王に勝利したという可能性は低いです。
理由はカエルの武器であるグランドリオンの修復ができないからです。
中世の舞台はA.D.600、その10年前(A.D.590)にサイラスとグレンが魔王軍に挑んだ際の出来事は、クロノたちが現代から中世へ現れても変えようのない事実として語られています。
A.D.590の出来事・騎士団長だったサイラスが魔王に殺害されてしまう
・グレンがカエルの姿に変えられてしまう
・聖剣グランドリオンが折られてしまう
サイラスはストーリーを進めても亡くなったままですし、カエルもグレンの姿から戻っていません(エンディングでは戻っていますが…)。
重要なのは、カエルが魔王に挑む際の重要アイテムであるグランドリオンの扱いです。
クロノたちは魔王城決戦前に折れたグランドリオンを修復し、秘められた力を用いて魔王城に乗り込みます。
魔王のバリアを無効化するグランドリオンが、魔王討伐には必要となります。
しかしカエルはクロノたちが現れないとグランドリオンを所持して魔王城に乗り込むことができないのです。
グランドリオンの修復が不可能な理由
・ドリストーンが必要(原始時代に存在するアイテム)
・ボッシュの技術や知恵が必要(現代に行かないとボッシュに会えない)
クロノたちが現れないと時代を行き来できないため、グランドリオンの修復はできません。
そう考えると魔王城で単独勝利することは難しく(エンディングでも勝敗は不明)、別の理由により魔王軍が敗退したと考えるべきでしょう。
魔王のラヴォス召喚が原因?
魔族が敗退したのは、魔王のラヴォス召喚が原因だと考えられます。
中世で召喚したラヴォスが魔王・魔王城・三魔騎士を飲み込み、魔王軍の敗退を決定づけました。
現代では跡形もない魔王城
魔王を構えていた場所は現代のメディーナ村付近です。
メディーナ村は今も魔族が住む村ですが、魔王城のあった形跡はありません。
実は現代のクロノの街の住人から「かつてガルディア城の西には修道院があった」「なぜ取り壊されちゃったんだろう」という興味深いセリフが聞けます。
小さなマノリア修道院が昔建っていたことは示唆されるのに、メディーナ村ではかつて魔王城があったこと、取り壊されたことが触れられていません。
大きな魔王城は取り壊されたのではなく、クロノたちの歴史改変と同じように飲み込まれた可能性があります。
飲み込まれる際に魔王・ビネガー・マヨネー・ソイソーも一緒に巻き込まれたかもしれません。
魔王は人間に負けたとは言っていない
現代のメディーナ村やヘケランから魔王に関する情報はいくつか得られますが…
いくら聞きまわっても、「魔王が殺された」とは言っていないんですね。
魔王の正体は古代ジール王国にいたジャキであり、そうやすやすと人間に負けたり、ましてや病気で死ぬとは考えにくいです。笑
つまり魔王は人間に負けたでも殺されたでもなく、いなくなったと考えられる部分でもあります。
以上のことから、魔王城・魔王・幹部クラスがこぞっていなくなったため、魔王軍は士気を失い、ガルディア王国軍が勝利したと考えられるのです。
現代から未来を変える物語がスタート!
このような歴史をたどってきた世界の現代(A.D.1000)に、クロノとマールが出会い、壮大な冒険が始まります。
といっても、ここまでの歴史はあくまで仮定の話です。
ゲーム内で得られる情報をもとに、もっと別の視点で考えることもできます。
ちなみにA.D.1000以降の世界がどのようになっているかはゲームをプレイしてご確認ください。笑
時間を扱う物語が苦手な人でも、いろいろな想像ができておもしろいストーリーになっています。
まだ未プレイの方はぜひ、クリアされた方でも何十周とプレイしてみてください。
プレイするたびに新たな発見があるゲームです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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