
ぴよすけです。
映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」のレビューです。
ネタバレがありますので、ご注意ください。
愛美のキャラクターが…?
映画を観たぴよすけが、一番気になったのはヒロインである福寿愛美ちゃん。

福寿愛美を演じるのは小松菜奈さんです。
ぴよすけが小説を読んだ感想として、愛美はおしとやかなイメージでした。
映画の小松菜奈さんが演じている愛美は、たしかにこれまでの小松菜奈さんのイメージを変えるような演技でしたが、小説版との違いが感じられます。
割とサバサバしているというか…それはそれで、映画の中ではうまく合っているのですが。
そうは言っても可愛らしい仕草や、サバサバ感がある愛美は小説を知っている人にとっても新鮮なものです。
小松さんが上手に演技をされていると感じましたよ!
あくまで原作は原作として映画を楽しむべきでしょう。
原作との違いから
小説や漫画を原作とした映画は、どうしても尺の都合上、ストーリーの違いが生じるものです。
以下が原作と異なる部分でした。
高寿が小説を書いていない
細かい部分ですが、高寿くんが小説を書いているという設定がありません。
そのため、愛美も感想を書いた手紙を渡すということがなくなっていました。
この部分で小説は「愛美が未来に書いている手紙が存在しているかどうか」ということを検証する役目がありましたが、映画版では高寿の未来で写真を撮るという部分だけになっています。
高寿が最後の日(愛美の初日)に愛美の絵を描く
これは映像作品ならではの表現方法だと思い、ぴよすけお気に入りの部分です。
小説の高寿最後の日は愛美と「慣らし運転」として家で一日を過ごします。
映画では高寿が通う大学の教室で二人が出会います。
そこで愛美が高寿からこれまでの詳しい二人の様子を聞くのですが、高寿は愛美をモデルに絵を描くんですね。
絵を描く場面は高寿の2日目に動物園でキリンのクロッキーを描いていますが、目で状況を認識する映画ということで愛美の絵を描くという場面が追加されていました。
この絵を描くことで、高寿の5年後の未来に15歳の愛美に絵を見せに行くというシナリオが自然と発生するようになっています。
高寿5歳の時の危機が違う
小説版では地震による火災が発生し、愛美が高寿を救出するという流れでした。
映画では宝ヶ池に落ちて溺れている高寿を救うというシーンに変更されています。
おそらく小説版の地震は阪神淡路大震災を示しているものだと思われますが、制作側が何らかの意図を持って変えたのでしょう。
ちなみに愛美が5歳の時の危機は小説と同じ祭りでの爆発事故です。
高寿と愛美が会える期間が短い
最大の違いと言っていいのが高寿と愛美が一緒にいられる時間が、小説版40日が映画版だと30日になっていることでしょう。
小説では40日あるため、出会った当初は次に会うまで数日かかっていた箇所があります。
「えっと、週末、予定ある?」
『ううん、ない』
「じゃあ一緒に、映画とか行かない?
『うん、いいよ』引用:小説『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』七月隆文
しかし、映画版では30日になっているため、出会った当初から毎日会っています。笑
高寿よ…大学の出席は大丈夫か?
愛美にデートの約束を取り付ける時も、愛美は電話越しに「明日」とドヤって言います。
そのため映画の場合は多少愛美に強引さが見られてしまうのかもしれません。
映画版が30日になったことで、新たな演出として月の描写が追加されています。
月の満ち欠けを入れることで、時間の経過を表しているシーンがあります。
総評
素直に面白かったです。
小説は発売当初に読んで感動していたので、映像作品にした場合どうなるのかという不安と期待がありました。
映像で表すにはいろいろと難しいだろうと予想していましたが、さほど矛盾がないと思われます。
ただ、最初にも書いたように愛美のギャップがありました。
しかし、これはこれ、として観るとしっかりと独立した作品となっています。
音楽で泣かせにきている部分もあります。
構成の仕方も上手だと感じました。
- 高寿目線の30日高寿が愛美と出会い、30日を過ごす
- 高寿の5年後高寿が15歳の愛美の前に現れる
- 愛美目線の30日15歳の時に再開した高寿に会いたくて、20歳の愛美が高寿に会いに行く
- 35歳の高寿が5歳の愛美を救う愛美にとって最初の出会いとなる祭りの事故のシーン
- 最後の日を迎えた愛美=高寿最初の日愛美が30日過ごしてきた最後の日の朝
- 最初のシーンへ続く高寿が愛美を電車で発見=ループ
高寿目線だけでなく、愛美目線で今見てきた二人のやり取りを再度見返す演出がうまいと感じました。
さらに最後は小説のカバーにあった「最初からもう一度読み返したくなる」を実践しているところに作り手側の工夫が見られたと思います。
日差しが柔らかな春の感じを取り入れ、映像美にもこだわっていると感じました。
エンディングが流れるタイミングでオープニングにすると、見事にループできています。
もしよろしければ、もう一度ご自分の目でご覧になってください。
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