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『ヒル』他人の家に寄生する迷える女子!?ネタバレあり感想

ぴよすけです。

今回紹介するのは「ヒル」というマンガです。

 

このマンガ、今までにありそうでなかった人間の裏社会を描いています。

読んでみるとドキドキハラハラ…

ちょっとした刺激を味わいたい方にオススメです。

 

この記事では簡単なあらすじと主な登場人物の紹介、3つのおもしろかったポイントを紹介しています。

この記事はネタバレを含んでいますのでご注意ください。
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作品データ

作品データ作者:今井大輔

連載:『月刊コミック@バンチ』2011年3月号-2013年5月号

出版社:新潮社

全5巻(完結)

佐倉葉子21歳。彼女は不当に手に入れた鍵を持ち、住人が不在の家を渡り歩いて、生活をしている。
そんな葉子の前に、突然現れたのは、死んだはずの同級生・月沼マコト。
彼の口から語られるところによると、葉子は知らず知らずのうちに「ヒル」と呼ばれる存在になっていたらしい。
「ヒル」とは一体、何なのか?『SEED』の今井大輔が描く、新時代のドロップアウトストーリー、待望の第1巻

『ヒル』第1巻 あらすじより

「ヒル」主な登場人物

佐倉葉子(ハコ)

主人公の女の子。

彼女が乗っていた夜行バスが事故に遭い、死亡したことになっている。

(本当は立ち寄ったトイレで居眠りをしてしまい、その間にバスが発車してしまった)

社会的に死んだことになった葉子は、生きていくために他人の住まいの鍵を持ち、住人が不在の家を渡り歩いている。

月沼マコト(カラ)

葉子の中学時代の同級生。

ヒルという存在を葉子に伝えたり、葉子のピンチを助けたりしている。

幼い頃はおばあちゃん子であり、家のことを手伝ったり本を読んだりしていた。

友達と外に遊びに行かない理由は「おばあちゃんが一人ぼっちになるから行かない」と答えるほどやさしい子。

「カラ」とは「カラッポ(何もない)」という意味から。

 

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ここがおもしろい3つのポイント

①実際にありそうな世界観

「ヒル」は実際の現実世界でもありそうだと思わせる世界観となっています。

 

読み始めは「亡くなった人が復活(もしくは霊的ななにか)として他人の家に出入りしているのか?」と思いましたが…

そうではありません!

 

社会的に存在がなくなった「ヒル」と呼ばれる人たちが、何らかの形で他人の家の鍵を入手し、家主が帰ってくるまでにそこで生活をします。

もちろん家主が気付かないように…

 

実際にあり得そうな世界観なので、読後に評価が分かれる作品だと思います。

 

・現実世界でこんな人たちがいたら…

・もし自分の家の合鍵が作られていて、自分がいない間にそこで生活していたら…

 

現実世界に置き換えて考えてしまうと気持ち悪さや不気味さが生じてしまいます。

 

あくまでフィクションとして捉えれば、よく考えられている設定だなぁと感心しました。

 

②先の読めない展開

「ヒル」は、物語の展開がなかなか読めない作品だと感じました。

小説やマンガ、映画は見ているうちに「次はこうなるのかなぁ」とか想像してしまいますが…

この作品はなかなか想像できませんでしたね。

 

何気なく数話読んでしまうと、あっという間に物語に引き込まれ、続きが気になってしまう作品です。

 

「ヒル」の序盤では謎が解決する前に次から次へと主人公・ハコの前に問題が起こります。

ひとつの問題が解決するとすぐに新たな謎が出てくるため、「この先どうなる!?」という緊張感が読み手には生じるでしょう。

 

新たな人物が敵なのか味方なのか、ヒルとはいったいなんなのか…

 

5巻で完結しますが、きちんとストーリーの筋は通っていました。

 

また、コマ割りや描写がシンプルかつわかりやすく、テンポよくストーリーが進んでいきます。

映画を観ているような感覚という感じでしょうか。

ドキドキハラハラな展開が好きな人にはハマる作品です。

 

③感情移入しやすい人物描写・テーマ

主人公・ハコの悩み、問題、トラウマがストーリーの展開とともに描写されていきます。

この作品の大きなテーマは生きるとは何か・幸せに生きるとはどういうことかだと感じました。

死んだことになっている自分の居場所とはどこなのか。

生きるためにどうしていくべきなのか。

家族との距離感や確執。

 

大人になりきれない人たちが居場所や生きがいを見つけていきます。

 

現代社会が抱える人間関係の希薄さ・多様さを上手に表現しつつ、出会った他者との関わりを通して自分がどうあるべきかが描かれています。

誰もが抱える生き方の悩みに通ずる部分があるように感じました。

 

恋愛要素というか、ちょっとした青春模様も描かれています。

 

ストーリー展開が上手なのも相まって、感動するお話でもあります。

特にハコの父親が傷つけられてしまう場面、月沼のおばあちゃんとハコとの会話、ロボの最期(カラとの出会い・本心)、ハコの愛猫の死など、感情移入し心揺さぶられました。

 

猫は反則だと思いました…( ノД`)

 

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日常の裏側を描いた刺激的な作品

実際にありそう!今の時代ならあり得るのかも…と思わせるような作品です。

読み終わった後には自宅のセキュリティを考えさせられること間違いなし!笑

 

おそらくラストの描写も賛否分かれる部分ですが、個人的には好きな終わり方です。

 

物語の終わり方(終わらせ方)って、名作でも大作でも、もっと言えば短編でも一番難しい部分だと思います。

個人的には読者に委ねる形はアリだと考えていますので…

 

2時間かからずあっという間に読めてしまう作品なので、気になった方はぜひ手に取って読んでみてください。

佐倉葉子21歳。彼女は不当に手に入れた鍵を持ち、住人が不在の家を渡り歩いて、生活をしている。そんな葉子の前に、突然現れたのは、死んだはずの同級生・月沼マコト。彼の口から語られるところによると、葉子は知らず知らずのうちに「ヒル」と呼ばれる存在になっていたらしい。「ヒル」とは一体、何なのか? 『SEED』の今井大輔が描く、新時代のドロップアウトストーリー、待望の第1巻。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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