日本人は昔から自己肯定感や自己有用感が低いと言われています。
自分の長所を挙げたり、セールスポイントがなかなか出てこない人が多いと思います。
面接時なんかは「あれ?自分のいいところってどこだろう…」と悩みますね。
自己分析は多くの種類があり、中には血液型診断のようなものもありますね。
今回紹介するのはジョハリの窓というメジャーな分析方法です。
自分ひとりだけが分析するのではなく、他人からどう見えているかが知ることができます。
ジョハリの窓とは
ジョハリの窓とは、自己分析・他者との円滑なコミュニケーションを図るための方法として知られています。
自分自身の分析と他者からの分析を組み合わせることで、性質や性格を4つに区分し、自己理解を深めます。
ジョハリの窓を使ってできる2つのこと
① 自己理解を深め、他人とのコミュニケーションを円滑にする
自分がどういう性格なのか、他者は自分をどう見ているのかを知ることができます。
親は自分のことを「不真面目」っていうけど、自分はきちんと責任感がある!
このような他者とのギャップを経験した人は多いのではないでしょうか。
自分の認識と他人からの認識にズレがあると、コミュニケーションを図る際にゆがみが生じることがあります。
ジョハリの窓は自他の認識のズレを視覚的に表すことで、どのようなズレがあるのかを知ることができます。
そして、そのズレをどう直していくか考えるキッカケをくれる手法です。
② 自己PRや長所の発見に役立つ
長所って、なかなか自分一人では出てきませんよね?
面接対策などで自分の長所、自己PRを考えるときなど一苦労です。
ジョハリの窓では、自己分析だけでなく他人からの分析を取り入れることで、普段の自分はこんな一面があるということを知ることができます。
分析シート
ジョハリの窓の分析は次のようなシートを用いて行います。
分析する対象(たとえばあなた)について、自分自身の評価と他者の評価が入るシートです。
あなた自身が気付いている自分・気付いていない自分、そして他者からみたあなたの知っていること・知らないことをまとめたシートになります。
4つの枠(窓)にはそれぞれ名前が付いています。
・秘密の窓 自分が認識いていて、他人は知らないあなた
・盲目の窓 自分では気付いていなくて、他人が知っているあなた
・未知の窓 自分も他人も認識していないあなた
この4つの窓から、主観だけでなく客観性を持った自分を知ることができます。
ジョハリの窓で用いる項目
ジョハリの窓で用いる項目は、基本的にはプラスの印象を持った項目にしましょう。
- ジョハリの窓で使用する項目例(クリックで展開)
- 責任感がある
真面目だ
明るい
冷静だ
友人を大切にする など
欠点となる項目を入れる際の注意点
主観・客観問わず欠点を認識することもたしかに大切です。
しかし欠点の指摘は、「自分をよりよく理解する・自他との円滑なコミュニケーションを図る」という本来の心理分析の目的から外れてしまいます。
また他人に自己分析をお願いすることから、複数人で実施することが望ましく、一緒に行ったメンバーから欠点を指摘されるのは快いものではありません。
欠点を指摘し合えない場合や、深い間柄でない場合は欠点項目を除くほうがよいでしょう。
ジョハリの窓やり方
事前準備
参加メンバー
1グループあたり3~5人程度(2人でもできます)がきちんと評価できる人数です。
人数が少なくなることの欠点
最悪2人でもできますが、2人の関係性(気を遣う間柄・極端に仲良し…など)によってはきちんとした評価ができないこともあります。
人数が多すぎることの欠点
他者からの評価のチェックが煩雑になります。
また多くの人が書いていないのに1人だけ書いている項目が出てくるなど、評価がしづらくなります。
用意するもの
ジョハリの窓ワークシート(下記画像)と、項目が書かれたシートを用意します。
下記画像のシートはこちらからダウンロードできます。(項目シートは準備中)
・ジョハリの窓 項目シート(自己評価用)
・ジョハリの窓 項目シート(他者評価用)
やり方
変に気を遣ってしまうと相手のためにならなくなってしまいます。
- Step1シートを配ります【1人あたりに配布するシートの数】
・ジョハリの窓ワークシート1枚
・自己評価シート 1枚
・他者評価シート グループ人数より1枚少ない枚数 - Step2自己評価シートの自己評価欄に記入自分自身の評価をしましょう自分自身の評価をしましょう
- Step3他者評価シートにメンバーの名前を書き、評価欄に記入他者評価シートにメンバーの評価を書き入れていきます
- Step4用紙の再分配記入済みの他者評価シートを該当する人に渡します
- Step5自己評価シートの集計欄に正の字で集計していく他の人が記入した評価シートの集計を、自己評価シートに書き入れます
- Step6集計した自己評価シートをもとに、ワークシートの各窓に転記します内容
・自分がチェックしていて、他人もチェックしている項目は「解放の窓」へ
・自分がチェックしていて、他人がチェックしていない項目は「秘密の窓」へ
・自分がチェックしていなくて、他人がチェックしている項目は「盲目の窓」へ
・自分も他人もチェックしていない項目は「未知の窓」へ
集計後の分析
解放の窓 自分も他人も気付いている
解放の窓に書かれている項目は、自他ともに認める自分の性質です。
変に隠すこともせず、ありのままの自分だと言えるでしょう。
解放の窓が大きければ大きいほど、自分と他人とのズレがないということが言えます。
秘密の窓 自分は知っているが、他人は知らない性質
秘密の窓に書かれている項目は、まだ他人に知られていません。
秘密の窓に書かれている項目が多いと、「自分はこういう性格なのに、どうしてわかってくれないの?」という他人とのズレが生じやすい部分でもあります。
盲目の窓 自分は知らないが、他人は知っている性質
盲目の窓に書かれている項目は、すでに他人が知っている性質です。
自分ではそうは思っていなかったけど、他人はすでに知っている…つまり、隠そうとしてももう知られている自分ということになります。
恥ずかしいと思いつつ、他人はそう認識していることになる部分と言えます。
未知の窓 自分も他人も知らない性質
未知の窓は自分も含め、まだ誰にも知られていない性質です。
自分でそうなりたいと思ったときに、そうなれる部分であると言えるでしょう。
「未見の我(まだ見たことない・知らない自分)」という言葉がありますが、まさにまだ生じていない可能性を秘めている性質と言えるでしょう。
h3関係性によって
先にも述べた通り、ジョハリの窓は相互評価による部分が大きいです。
評価者同士の関係性により、診断結果がかなりばらつきますので、自己理解をするツールであるということをきちんと踏まえて行いましょう。
「〇〇さんは私のことをこう見ているのか」など、評価者に対してマイナスな感情を抱くこともあり得ます。
グループで行う際には、事前に趣旨をメンバーに把握してもらうことが大切です。
うまく活用してコミュニケーションを円滑に
自己理解を深めることは、他者との付き合い方を変えるきっかけにもなる大切なことです。
きちんと自分を把握することでストレスコントロールにもつながります。
ぜひ一度ジョハリの窓を体験し、自分を客観的に見つめる機会にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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