明治時代の文豪、森鴎外の代表作である『舞姫』。
この作品の難しさは文語体(昔の言葉)で書かれていることに尽きます。
さらに物語自体がそこそこ長いので、古文嫌いの人にとっては苦痛となってしまう名作です…
そこで今回は『舞姫』がどんな物語なのかだけでも簡単にわかるよう、現代語で1000字以内にあらすじをまとめてみました。
1000字=原稿用紙2枚半!
約3分で読めます。笑
重要な部分を残しつつ、省ける部分はかなり省いてみました。
心情よりも物語の展開に重きを置いていますので、どんな話の流れかわかるようになっています。
あらすじを読む前に…知っておきたい登場人物
太田豊太郎
小説『舞姫』の主人公。
とても優秀な男で、学問に秀でています。
官僚としてドイツに渡り、エリスと出会います。
途中、役人を辞めることになり、日本での名誉が失墜します。
物語後半で名誉挽回のチャンスがあり、日本に帰るかエリスへの愛情かという選択を迫られます。
エリス
ドイツ人の女性。
困っていたところを豊太郎に助けられ、のちに豊太郎と結婚し、彼の子供をお腹に宿します。
豊太郎との別離により発狂します。
相沢謙吉
豊太郎の友人。
物語後半で豊太郎の帰国のためにサポートをしました。
天方伯を紹介し、豊太郎が日本に帰国できる口実を作るなど、立ち回りが上手い男性という印象です。
3分で読める1000字あらすじ
(現在)ドイツから帰国する豊太郎の悩み
主人公・太田豊太郎はドイツからの帰国の途中、悩んでいます。
それは人知れぬ恨みがあるからでした。
(5年前)豊太郎のドイツ留学
豊太郎は5年間、ドイツに滞在していました。
幼いころから神童(秀才)と言われ、19歳で東京大学法学部を卒業するなど優秀な男でした。
東大卒業後はとある省で官僚として働き始め、ドイツに留学することになります。
ドイツ到着後、ベルリンの華やかな雰囲気に目を奪われますが、ここで遊び更けることなく自制したのが豊太郎。
官僚としての職務をこなし、大学で政治学を修めます。
3年後、ドイツの大学の自由な気風のもと、豊太郎の自我が目覚めます。
生真面目で遊びを知らないため、留学生仲間から仲間外れにされ、中傷を受けることになりました。
エリスとの出会い
ある日、豊太郎は古寺の前で泣く美少女エリスに出会い、一家の窮状を救いました。
豊太郎はエリスの教養を高めたりするなど、彼女に尽力します。
エリスとの交際は清く正しいものでしたが、この交際をネタに豊太郎は同僚に嵌められてしまい、免官されてしまいます。
また豊太郎の母の死も重なり、日本にある「家」とも縁が切れます。
豊太郎はこのような激動の中、エリスと結ばれました。
友人である相沢謙吉とエリスの助けでドイツに留まった豊太郎は、貧しいながらも楽しい日々をエリスと送りました。
豊太郎の学問は荒んでいきますが、彼は一種の見識を持つようになっていきます。
エリスの妊娠と望郷の思い
エリスの妊娠により、今後を案じる豊太郎。
そこに相沢が手紙をよこします。
手紙には豊太郎の名誉挽回に関する仕事の内容が書かれていました。
祖国での名誉を取るか、エリスとの愛情を取るのか…
豊太郎はエリスとの関係を断つことを相沢に約束します。
豊太郎は天方伯のロシア行きに随行します。
ロシアではみごとに自分の仕事を果たし、天方伯からの信頼を得ました。
豊太郎が仕事の間、エリスは慕情を強め、豊太郎について日本へ行くことも考えていました。
天方伯に帰国を勧められた豊太郎は承諾しましたが、エリスを裏切ったことへの自責の念から雪道を彷徨し、帰宅とともに意識を失います。
豊太郎が昏睡状態の間、相沢はエリスに豊太郎がエリスとの関係を断ち、帰国することを告げます。
衝撃と悲嘆の中で、エリスは発狂してしまいます。
意識を回復した豊太郎は、相沢とともにエリスの母に生活を営む資金を与え、帰国します。
(現在)豊太郎の心
豊太郎の心中には、相沢への一点の憎しみが残りました。
登場人物の心情の変化に注意すべき作品
ざっくりと、1000字まで絞りました。
流れは説明できますが、やはり心情を含めると1000字では収まらないですね(^^;
小説を読むおもしろさは、やはり登場人物の心情変化でしょう。
なぜ豊太郎はエリスとの生活を捨てようとしたのか、母の死はどう思っていたのか、ドイツを去る豊太郎の心情は…
こういった心情はなかなか一言では言い表せない部分ですね。
今後、別記事にて小説の舞台となっている明治時代ならではの特徴的なシーンを解説していきたいと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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