ぴよすけです。
みなさんは自分の書く字が好きですか?
ぴよすけ自身は、自分の書く字が嫌でした。
というか、高校生~大学生あたりまで自分らしい字というものが見つからなかったと言えばいいでしょうか。
字にアデンティティを求めてしまうなんて、変わった高校生だなぁ…と自分で思ったこともあります。笑
学生から社会人になった今でも自分らしい字とはどのようなものか、まだよくわかっていません。
しかし自分が書きたい字というものは見つかったと思っています。
今回は字を書くためのプロセスと書きたい字を書くための方法について、ぴよすけの実体験を踏まえながら考察しています。
綺麗な字を書くというより、自分が書きたい字を書くためにどうすればいいのかという観点でまとめてみました。
字を書くプロセスは「自動車の運転と同じ」?
ぴよすけは大学時代に書道部でしたが、指導してくださっていた教授が「字を書くプロセス」を説明してくれました。
字を書くまで人が行う行動は次のようになるそうです。
・書きたい字を頭の中で思い描く
・思い浮かべた字を脳が指令を出し、実際に書く
当たり前ですよね。笑
ぴよすけも「そんなのわかりきったことじゃん!(; ・`д・´)」と思いましたヨ…
でも教授が続けておっしゃるには、字を書くというのは、自動車の運転と同じだということでした。
自動車運転免許を取った人なら、教習所で「運転とは認知・判断・操作の連続だ」と教わります。
この認知・判断・操作が字を書く時にも働いているそうです。
つまり
・書きたい字を頭の中で思い描く(認知)
・思い浮かべた字を脳が指令を出し、実際に書く(判断・操作)
ということらしいのです。
認知って、モノを見て認識することでしょ?
そのとおりです!
書く前に実は認知に近い行動を我々は取っているんです。
でもこの認知が字を書く上で一番重要なのですよ。
字を書くことは「認知・判断・操作」を繰り返すこと
運転と字を書く行動を比較してみましょう。
運転時
実際、運転するとき認知・判断・操作を意識している人はあまりいないと思います。
とりあえず事故が起きないように、目の前の交通状況に応じて運転しますよね?
でもこの行動が認知・判断・操作の連続といえます。
- 認知モノを認識する(例)目の前の横断歩道を歩行者が渡っているのを発見する
- 判断頭で考え、どうするべきか決断する(例)歩行者とぶつからないように車を停めよう!
- 操作実際に行動を起こす(例)ブレーキを踏む
- 認知モノを認識する(例)目の前の道路に事故の元となる要素がなくなった
- 判断頭で考え、どうするべきか決断する(例)車を進めてよさそうだ
- 操作実際に行動を起こす(例)アクセルを踏む
ちなみに…自動車事故の原因は認知・判断・操作のどの部分で多く起こるかご存知ですか?
実は認知が一番多いそうです。
(出典が示せず申し訳ありませんが、実際に認知>判断>操作の順で事故件数が多いそうです。気になる方は検索してみてください。)
意外と操作の部分で誤って事故につながることは少ないんです。
字を書く時にも同じことが言えるのです。
字を書く時
字というのは、たった一字書くというより何文字も連続して書くことが多いです。
自分の氏名でさえ2~5、6字は書きますよね?
何文字も書いているからこそ、あまり一字一字の行動を気にしなくなります。
さらに一文字は複数の画数からできています。
たとえば「正」という字は5画ですから、5回は認知・判断・操作を行っていることになります。
字を書く際には以下のプロセスを経ています。
- 認知モノを認識する(例)「正」という字の全体像・完成形を頭に思い浮かべる
- 判断頭で考え、どうするべきか決断する(例)文字の1画目を紙のどこからどこに向かって、どのくらいの長さで書き入れるか判断する
- 操作実際に行動を起こす(例)ペンで1画目を書き入れる
- 認知モノを認識する(例)「正」という字の全体像・完成形を頭に思い浮かべる
- 判断頭で考え、どうするべきか決断する(例)1画目をもとに、2画目を紙のどこからどこに向かって、どのくらいの長さで書き入れるか判断する
- 操作実際に行動を起こす(例)ペンで2画目を書き入れる
…という具合です。笑
でもそんなことをしていたら書くスピードが遅くなりますよね?
だから我々はもっと大きな全体像を思い浮かべて手を動かしているのです。
「正」という字を書く際に1画ずつ考えるのではない…もっと言えば文字にこだわらず文全体、もしくは文章全体を考えて書いていることになります。
一字の形より、文の意味が通るか・わかりやすいかのほうが大事な場面が多いですもんね。
「正」という字の形より、文や文章のわかりやすさが優先されてしまい、字のきれい・汚いが二の次になりやすいのです。
このように字を書く時にも認知・判断・操作を繰り返していることになるんですね。
重要なのはモノを認識する「認知」
ここまで認知・判断・操作の繰り返しということを説明しました。
運転と比較しながら説明しましたが、書くとき重要になるのもやはり認知の部分です。
小中学校で習った書写の授業では、先生が「お手本をよく見ましょう」と指導します。
当時は「見てるよ!」と思いました。笑
でも、見てるというより目に入れてるだけなんですよね。
机に紙があって、左から2センチ・上から5センチのところに筆をつけて、やや右斜め上に向かって約6センチの線を引く……ということを考えて書写の授業を受けたかといわれれば、受けてない人が大半なんですよ。笑
芸術分野の書道でも、古典作品をお手本とするとき、手本を見る時間が大事だと言われています。
「見る:書く」の割合は「7:3」とまで言われています。
(ここらへんの塩梅は指導者によりけりかもしれませんが…)
書くという作業(操作)は、作品全体に占める作業においては低い割合なのです。
ぴよすけは小学生のころ近所の習字教室にも通っていましたが…
たしかに字をきれいに書くために通っていた習字を思い浮かべても、あまり急いで字を書きあげる人はいません。
どちらかというと限られた半紙や課題を丁寧に書こうと時間をかけて行うものです。
(習字が嫌いで親に通わされてた子は、さっさと書き上げてましたが…笑)
特に字の上達を目的に通っていた大人たちは、ゆっくり時間をかけて書いていました。
つまり、書きたい字の特徴をよく見てつかむ認知の部分に重点を置くことが大切なのです。
日常生活のお手本は「自分がマネしたい字」を見つけることから始めよう
では習字教室に通っていない、書写や書道の授業も受けてない社会人は、どのようにしてお手本を手に入れるのかです。
まずは自分がマネしたい字を見つけてみましょう。
自分の周りに「この人の字、いいなぁ」とか「この人のような字を書きたい」と思ったことがあれば、まさにその人の字が手本になります。
はじめのうちは自分の書いた字と見比べて、どこがどう違うのかじっくり比べてみましょう。
そしてマネしたい字の特徴をつかみましょう。
この人の字は全体的に縦長だなぁとか、右のはらいが特徴的だとか、字と字の間が自分の書く字より狭いぞ…など。
必ず字の特徴があるんですね。
ですので、そういった特徴をまずは頭の中に叩きこみます。
実際に書いてみると初めのうちは似せたつもりでも、まったくうまくできないんです。
でも、その人の字になんとか似せようとしていると、半年近く経てば字が変わってきます。
そして半年も経てば「あの人だったら、この字をどう書くのだろう」と考えながら書くようになります。笑
実は何事も「意識する」という行為はとても大事なことなんです。
先ほど自動車の例を出したので、再び運転時に例えてみましょう。
運転では安全マインドが大事といわれています。
安全マインドとは一言で言うと「プロ意識」のことです。この「安全マインド」が備わっていると、自分の仕事に誇りや使命感を持つことができ、ひいては「絶対に事故を起こさない」という強い意識へとつながります
引用:『高めよう!プロトラックドライバーとしての安全マインド』シンク出版(2019年5月)
「意識することが大事」というと、なんだか精神論っぽく思われるかもしれませんが…科学的にも重要であることが証明されています。
筋力トレーニングをするときには、使っている部位の筋肉を意識することで、トレーニング効果が上がるんですよ。
字を書く時にも書きたい字を意識し続けることで、字の書き方が変わっていきます。
字を書くプロとまではいかなくても、こだわりを持つことは大変重要です。
お手本を思い浮かべて書くことを習慣化する
認知の部分でお手本となる字を見つけることができた・意識することができれば、あとは習慣化することです。
初めのうちは時間がかかるかもしれません。
何度も書いているうちに今度は体が反射的に動くようになっていきます。
これがいわゆる「慣れ」というものです。
こうやって、字は時間をかけて変化していきます。
字を書くことにこだわりを持つことで、誰でも自分の字を変えることができるのです。
「字は人を映す鏡」お手本にしたい字を見つけるということは…
字は人を映す鏡なんて言われたりします。
美文字という言葉が登場して久しいですが、ぴよすけは美文字の定義がよくわかりません。
何を以って美しいとするのか、それは見る人によって曖昧だと感じてしまうからです。
しかし、その人らしい字というのはあると考えています。
1画ずつきちんと止めて書く人は、なんとなく几帳面なタイプ。
流れるように字体が整っていれば、なんとなく先を読んで行動するタイプ。
小学校の先生みたいに書写の手本のような字を書く人は、なんとなくやさしいタイプ。
もちろん裏切られることもありますが、字はその人を表すという考えに基けば、手本となる字を書く人はあなたにとって尊敬できる人であると思いますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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